市販のスプレーは効果あるの?
残念ながら、市販のスプレーはおすすめできません。
洗剤を含んだエアコン洗浄スプレーを、エアコン内部に噴霧して「掃除が出来た!」と思ったら大間違いです。よく考えてみてください。洗剤をスプレーしているのに「水を使って洗剤成分を洗い流す」という、お掃除ではあたり前の作業をしていないのです。
エアコン洗浄スプレーの成分は?
市販のエアコン洗浄スプレーは洗浄剤ですので、洗剤成分も含まれています。しかし、スプレー噴射後にエアコン内部は水洗いしませんよね?
- (例)洋服の洗濯の場合
- 洗濯機に洋服と洗剤を入れて洗い、すすぎをしないで脱水。洗剤がついたままの洗濯物を干して乾燥。パリパリの洋服を着てお出かけ・・・そんな人はいないと思います。洗剤を使用したら、すすぎ作業は必須ですよね。
スプレーを噴射したら、エアコン掃除は終了・・・本当に魅力的なフレーズですよね。しかしその程度の洗浄では、エアコン内部に洗剤成分と落としきれない汚れが残ってしまいます。スプレーの噴射力程度では、詰まっているゴミを吹き飛ばす力はありません。汚れ具合によっては、エアコンに悪影響を及ぼすことの方が多いのです。
エアコン内部に残った洗剤成分やホコリなどの汚れは、新たなゴミとして腐食していきます。その結果、熱交換器のアルミフィンやクロスフローファンが目詰まりして、エアコンの効きが悪くなったり、ドレンパンやドレンホースが詰まってしまい、水漏れの原因になることも・・・。
また、エアコン内部に残ってしまった洗剤成分は、カビ菌の新たなエサとなりますので、エアコン洗浄スプレー使用前よりも悪臭を放つこともあるのです。
エアコン洗浄スプレーを多用すると
エアコンから悪臭がするので・・・・市販のエアコン洗浄スプレーを使用→(カビ増殖中)→臭いがキツくなる→再度エアコン洗浄スプレーを使用→(カビ増殖中)→臭いがもっとキツくなる・・・これでは負の連鎖ですね。
「エアコン洗浄スプレー」ハードユーザーのお客様宅に訪問すると、エアコン内部は凄いことに・・・。エアコンクリーニング始めると、真っ黒なホコリの固まりが「これでもか」というくらい、アルミフィン・クロスフローファンからこぼれ落ちてきます。

エアコン洗浄スプレーを繰り返し使用することで、洗剤成分やホコリは固着していきます。何度も繰り返されるスプレーによって、カビの増殖や汚れの固着が強固となり、ドレンパンやドレンホースが詰まることも・・・結果、結露水が逆流することもあるのです。
エアコンは家電製品です。そのまま水洗いをすることはできませんよね。近年のエアコンの高性能化は著しく、エアコン洗浄スプレーをする熱交換器周辺にも。様々な部品が配置されるようになりました。基盤などの電子機器にスプレーを噴射してしまうと、エアコン故障の原因にもなります。
◎以上のことから、エアコン洗浄スプレーの使用はオススメできません。
エアコン洗浄スプレー vs 徹底洗浄
「エアコン洗浄スプレー」されたエアコンを徹底洗浄してきました。下記リンクをご参照ください。
エアコン洗浄スプレーの効果は?
勘違いをされてるお客様が多いのですが、エアコン洗浄スプレは熱交換器アルミフィン専用です。だから、吹き出し口周辺やクロスフローファンにスプレーするのは絶対にNG。スプレーの成分がゴミを吸着させ、効果どころか汚れを増殖させてしまいます。しかし、アルミフィンからもスプレーの成分が溢れ落ちてしまうことも・・・結果、洗い流すことのできない洗剤成分が、吹き出し口周辺の汚れを増殖させてしまいます。洗浄スプレーの噴き過ぎにも注意が必要ですね。
ずっと批判ばかりしているのは申し訳ありませんので、肯定的な意見も入れておきますね。エアコンの熱交換器の汚れが軽度であれば、洗浄効果は十分にあります。スプレー後は、冷房運転の結露水でしっかりとアルミフィンを洗い流すことが必須ですので、ご注意を。
ただ、汚れやすいのは目視しやすい吹き出し口です。また、エアコン上部の汚れに気付いたり、臭いが気になったときには、エアコン洗浄スプレーでは手遅れだったりします。ジェット噴射などと謳ってはいますが、水圧は噴霧器以下。熱交換器にこびり付いているゴミを吹き飛ばすほどの力はありません。結果、洗剤成分の上塗りとなり、汚れを促進させてしまいます。申し訳ありません。やっぱり批判してしまいました。