室外機は屋外仕様

室外機とは、その名の通り室外に設置する機器です。「屋外仕様」なので、ある程度の粉じん・雨等の水滴や砂塵など、風雨に耐えられることを考慮の上設計されています。またそのような影響で「大幅に性能が低下」することはありません。

ノーメンテナンス設計

室外機は、基本的にノーメンテナンスを前提に設計製造されています。よく商業ビルの高層階の壁面に、室外機がズラリと並んで設置されているのを見たことがないでしょうか？

メンテナンスすることを前提としていないので、高層階のなんの足場もない場所にでも室外機は設置（放置）することができるのです。

「省エネ効果がある」と室外機の掃除を勧める業者も、上記のような環境下の室外機を掃除することはまずありません。殆どの業者が、高所にある室外機の掃除は受付けてはいないのです。この事実こそが、室外機の掃除には「あまり意味がない」ということを露呈させているのではないでしょうか。

プロの室外機クリーニング

私自身も「室外機クリーニング」を手掛けた頃もありましたが、すぐに断念してしまいました。

それは何故なのかというと・・・

「室外機の分解には手間がかかりすぎる」からです。

一般的なエアコン（室内機）と比較すると「室外機」の分解洗浄はとっても大変。お掃除機能付きエアコンと同程度の分解難易度があります。作業時間だって90分では終わりません。そんな「室外機クリーニング」をエアコン（室内機）クリーニングのおまけ？　オプションで？　いやいや、これなら立派な単体扱いのサービスです。

ただ室外機クリーニングを10,000円以上の価格で提供できるのでしょうか？　う〜ん、流石にこの価格帯だと依頼を考える方も稀でしょうね。それでは、他の業者のように「簡易清掃」でもするか・・・。いや〜、それでは意味がありません。

このような経緯から、当店では「室外機クリーニング」をサービスメニューから削除することにしました。

上記のような方法「室外機の徹底分解」で室外機クリーニングする業者はほとんどいません。オプション誘導する業者の「室外機クリーニング」は、本体を分解することなく「そのままの状態」で洗剤噴霧・高圧噴射する「簡易清掃」がメインなのです。

ただエアコンクリーニング業者が、ついでに「室外機クリーニング（簡易清掃）」したい気持ちも少しは理解できます。エアコンのその先（外）には、室外機が見え隠れ。そして高圧洗浄機はセット済です。ちょっと外に出て、ピシャーっと水を高圧噴射しておけば数千円の単価アップが見込めますからね。そんな誘惑に駆られてしまうのでしょう。

自分での経験値や効果測定などもしたことはないが「室外機クリーニング」をすることで電気代が安くなると皆が言っている。本当かどうかの検証はしていないが、多くの人が語っている意見は正しいのであろう。お客様も「室外機クリーニング」を望んでいるし、勧めると喜んでオプション料金を払ってくれる。こんな感じで「室外機クリーニング」業者が増産されてしまうのでしょうね。

業者による営業トーク

①お外に設置されている室外機は「雨や砂ぼこり」を受けるため、「汚れやすく・目詰まり」しやすい。

②汚れた室外機をそのまま放っておくと、エアコンの運転効率が下がることで電気料金が高くなる。

③室外機のごみが原因で「故障」を引き起こすこともある。

上記のような営業トークをする業者も多いかと思いますが、どのコメントも間違いではありません。ただ前述している通り、「室外機はノーメンテナンス設計」なのです。そして、室外機クリーニングは無料でもありません。

室外機の掃除が必要な例

室外機は冷房時に冷媒ガスに圧をかけ、その際に発生する熱を排気放熱しています。室外機のカバーの外側から見ると大きなプロペラが内側で回っているのが見えますよね。そのプロペラファンが回転することで排気放熱しているのです。この排気放熱は、室外機が過度に汚れていると効率が落ちることがあります。

室外機裏側の熱交換器（アルミフィン）を覗いて見て、ゴミやホコリ等によって薄い金属板の隙間が見えないくらい目詰まりしている場合は、熱伝導率が落ちますので効率は落ちているということ。熱伝導率が落ちているのですから、洗浄するのとしないのではした方が良いのでしょう。ただこれは費用対効果の判断となります。

正直な話、プロに料金を支払ってまで室外機クリーニングを依頼しても、お客様が期待しているほどの省エネ効果は得られません。何度も説明していますが、室外に放置されている室外機はすぐに汚れてしまいます。どうしても汚れが気になるのであれば、自分でもできる「簡単掃除」で問題ありません。業者による「簡易清掃」と大差ありませんので・・・。

自分でもできる室外機の簡単掃除方法

①大きめのゴミ（葉っぱ・ビニール・ツタなどの紐状のもの）が、プロペラなどについている場合は、エアコンを停止（室内機のコンセントを抜く）させ、室外機が停止したことを確認後、棒状のものなどを活用し、取り除いてください。

②熱交換器（アルミフィン）が目詰まりしている場合は、外から使い古しの歯ブラシなどを活用し、上から下に溜まったホコリ・汚れをなぞるように取り除いてください。

③カバーなどのスス汚れが気になるのであれば、中性洗剤などを使用し「ブラシやスポンジ」などで洗っても問題ありません。屋外仕様の室外機は、カバーの上から水をかける程度で故障するような設計にはなっていません。

業者による室外機クリーニングでも「エアコンとのセット料金や無料セット在りきの割高料金」ではなく、ただの無料サービスなら本当にお得です。自分でやる手間が省けますからね。そのようなありがたいサービスを提供している業者のクリーニングなら進んでやって貰いましょう。

料金のかかる「室外機クリーニングは不必要」

当店では「オプション料金のかかる」業者による室外機クリーニングは「不必要」だと考えております。

「電気代が節約できる」という謳い文句で、室外機の掃除を勧める業者もいますが、設置箇所を確認してみてください。どんなにきれいに掃除しても、お外に放置されている室外機は、エアコンを作動させるたびに「ススやホコリ」などを吸い込み、数カ月もすればすぐに元通りに汚れてしまいます。

熱伝導率アップの豆知識

省エネが目的であれば、室外機に太陽の熱が直接あたらないように、1m位離れたところに「すだれ」や「植木」などで日陰をつくることで、夏場の熱交換性能は確実にUPします。逆に冬場は、太陽の熱が直接あたるようにしましょう。くれぐれも室外機の吹き出し口付近やその周囲に物を置いたり、塞いだりしないようにしてください。

節電の持続効果

執拗にオプション誘導する業者には「このような質問」をしてみてください。『室外機クリーニングをすることで、何時から何時までの期間、総額で幾らの電気料金が節約できるのですか？』『またそれを検証したことがあるのですか？』『私が検証して料金が変わらない場合は補償（返金など）してもらえますか？』etc.

まずこのような問いに返答できる業者なんて誰一人いません。そもそもエアコンだけの料金を比較する術がないのですから・・・。

それでもまだ、オプション料金を追加してまで「室外機クリーニング」を頼みたいと思いますか？