エアコンの簡易分解とは?
家庭用壁掛けエアコンクリーニングの下準備として、内部洗浄を妨げるパーツ類を取り外すこと。一般的には「前面パネル・フィルター・ルーバー・本体カバー」を取り外すことで、全てのパーツを取り外す「完全分解」とは異なります。

どこまでエアコンを分解するの?
当店では、エアコンの洗浄方法(徹底洗浄・簡易清掃)やエアコンのタイプ(スタンダード・お掃除機能)、機種・設置状況・年式・汚れ具合などにより、エアコンの分解内容・範囲は異なります。一般的には追加料金のかかる「基盤」や「ドレンパン」なども標準サービス内で分解することも・・・。常に現場の状況を判断しながら、安全・作業効率を第一に分解内容・範囲を決定しています。
- エアコンの洗浄率
- 当然ではありますが、分解すればするほどエアコンの洗浄率は上がります。一般的な「家庭用壁掛け(簡易分解)エアコンクリーニング」と「完全分解」を単純比較すると、「簡易分解」では5割程度の洗浄率しかないかもしれません。ただ臭いの除去率と汚れの洗浄率は必ずしも比例しません。当店の「簡易分解」+「徹底洗浄」であれば、仮に「1〜2割程度」の汚れが除去できなかったしても、エアコンから吹き出す風にニオイが残ることはありません。ご安心ください。
簡易分解の目的
エアコンクリーニングの下準備として行う「簡易分解」の最大目的は「洗浄効率」を上げるためで、洗浄を妨げるものを排除することにあります。ただ当店はそれだけが主目的ではありません。『エアコンを「故障」させることなく、どんなエアコンであっても「徹底洗浄」したい!』というのが大前提。ただ広範囲にバシャバシャと高圧洗浄してしまうと、故障のリスクはどうしても高まります。それを回避するためには・・・。
基盤などの分解
どんなに丁寧な仕事をしたとしても、エアコン故障のリスクは常にあります。そのリスクを減らしていくためには、剥き出しの電装系たちは「分解・取り外し」もしくは徹底養生が必須。
リモコン受光部基盤

エアコン洗浄後や後日のリモコン操作不良が起きないように、どのメーカーのどのエアコンであっても、必ず「リモコン受光部基盤」は取り外してから洗浄しています。
メイン基盤

タイプ・機種・設置状況・汚れ具合などを考慮の上、分解したほうが作業効率が上がると判断した場合は、このように「メイン基盤」もエアコン本体から取り外し。耐久性の弱い「小型モーター」なども取り外すことがあります。
メーカー毎の簡易分解事例
家庭用の壁掛けエアコンは、各メーカー毎に特徴があります。簡単に分解できるものから、分解難易度が高いものまでさまざま・・・。当店にて実際に「エアコンクリーニング」した事例をもとに、当店による徹底洗浄時の「簡易分解の内容・範囲」をご紹介いたします。(順不同)
分解する標準パーツ類(各メーカー共通)
前面パネル・フィルター・上下風向ルーバー・本体カバー・リモコン受光部基盤
コロナ(CORONA)
スタンダードエアコン

コネクタやコードの処理に若干手間はかかりますが、ドレンパン・メイン基盤を取り外すこともあります。
※上記の画像は「ドレンパン」取り外し済み。
シャープ(SHARP)
スタンダードエアコン

メイン基盤の分解が簡単なため、作業効率を考慮して「メイン基盤」を取り外すことが多いです。ドレンパンの分解も同様に簡単なタイプですが、設置状況やドレンホースのアソビ有無などによっては、取り外さないこともあります。
※上記の画像は「メイン基盤」「ドレンパン」ともに取り外し済み。
お掃除機能付きエアコン

①分解前のエアコン。②標準パーツとダストボックスを取り外したところ。③お掃除ロボット・「基盤」を取り外し。④「ドレンパン」の分解後。
スタンダードエアコンと同様に「基盤」「ドレンパン」を取り外すことが多いです。
▼お掃除ロボットの分解

お掃除ロボットにローラーや基盤が組み込まれているタイプは、取り外したままの状態で洗浄することができません。お掃除ロボット自体も分解してから他のパーツ同様に洗浄しています。(軽度な汚れの場合は、ホコリ払い・拭き取りにて対応)
▼上下風向ルーバーを取り外さない例

ルーバーの軸などがキツく固着している場合は、ご覧のように「ドレンパン」ごと「上下風向ルーバー」を取り外すこともあります。
※上記の画像は「基盤」も取り外し済み。
ダイキン(DAIKIN)
スタンダードエアコン

メイン基盤の分解が簡単なため、作業効率を考慮して「メイン基盤」を取り外すことが多いです。「ドレンパン」は本体と一体型のためを分解することはありません。電源コードの位置(左側)や設置状況が良くない時は「基盤」の分解は回避し、「リモコン受光部基盤」を取り外してから「電装部」を徹底養生しています。
※上記の画像は「メイン基盤」取り外し済み。
お掃除機能付きエアコン
▼分解難易度が低いタイプ

①分解前のエアコン。②前面パネルを開けたところ。③標準パーツとダストボックスを取り外し。④お掃除ロボット・「基盤」の分解後。
▼基盤が中央部にあるタイプ

①前面パネルを開けたところ。②標準パーツとダストボックスを取り外したところ。③お掃除ロボットを取り外し。④「基盤」類・換気口・吹き出し部(ルーバー装置類)の分解後。
▼分解難易度が高いタイプ

①分解前のエアコン。②前面パネル・フィルター・ダストボックス・上下風向ルーバーを取り外したところ。③その他の標準パーツと「メイン基盤」を取り外し。④お掃除ロボット・換気口・細かい基盤たち・吹き出し部(ルーバー装置類)の分解後。
スタンダードエアコンと同様に、お掃除機能付きエアコンも「基盤」を取り外すことが多いです。比較的簡素な構造なので「お掃除ロボット」自体を分解する必要もなく(細かい基盤などは取り外し)、他のパーツ同様にそのまま洗浄可能です。(軽度な汚れの場合は、ホコリ払い・拭き取りにて対応)
東芝(TOSHIBA)
スタンダードエアコン

「ドレンパン」は本体と一体型のためを分解することはありません。設置状況・機種・年式・汚れ具合などを考慮の上、基盤を取り外すこともあります。通常時は「リモコン受光部基盤」を取り外して「電装部」徹底養生にて対応。
▼ユニット付きのタイプ

ご覧のように、スタンダードエアコンでも「熱交換器」を覆うような「ユニット」が組み込まれているタイプも・・・。当然ではありますが、標準サービス内で「ユニット」「プラズマ空清ユニット」も分解しています。
お掃除機能付きエアコン

標準パーツ・ダストボックス・お掃除ロボット・プラズマ空清ユニットを取り外し。
▼お掃除ロボットの分解

「プラズマ空清ユニット」と一体型のため、取り外したままの状態で洗浄することはできません。ローラーへの油付着やローラーユニット部のホコリ詰まりが目立つ時は、ご覧のように分解してから他のパーツと同様に洗浄しています。(軽度な汚れの場合は、ホコリ払い・拭き取りにて対応)
▼基盤の取り外し

スタンダードエアコンと同様で「ドレンパン」を外すことはありませんが、設置状況・機種・年式・汚れ具合などを考慮して「基盤」は分解・取り外すことも・・・。また「中央部に基盤」があるタイプも、同様に基盤類は全て取り外しています。
パナソニック(Panasonic)
スタンダードエアコン

ドレンパンが簡単に分解できるので、ご覧のように取り外す機会は多いです。基盤を分解することは少ないですが、設置状況・機種・年式・汚れ具合などを考慮して分解・取り外すこともあります。
▼ユニット付きのタイプ

ご覧のように「熱交換器」を覆うような「ユニット」が組み込まれているタイプもありますが、標準サービス内で「ユニット」も分解・取り外しています。
※上記の画像は「ドレンパン」取り外し済み。
お掃除機能付きエアコン
▼自動排出タイプ

標準パーツ・お掃除ロボット・排気装置・「ドレンパン」・「基盤」を取り外し。
▼中央部に基盤がある自動排出タイプ

標準パーツ・お掃除ロボット・排気装置・「基盤」・「ドレンパン」を取り外し。
▼ダストボックスタイプ

①前面パネルを開けたところ。②標準パーツとダストボックスを取り外したところ。③お掃除ロボットを取り外し。④「基盤」類・「ドレンパン」の分解後。
スタンダードエアコンと同様に「ドレンパン」を取り外すことが多いです。また基盤の分解有無は、機種や設置状況により異なります。取り外したユニットから基盤を取り外せば「お掃除ロボット」自体を分解する必要はありません。他のパーツ同様にそのまま洗浄可能です。(軽度な汚れの場合は、ホコリ払い・拭き取りにて対応)
日立(HITACHI)
スタンダードエアコン

機種毎にドレンパンの構造に違いがあります。上記のエアコンは本体一体型タイプなのでドレンパンを分解することはありません。基盤を分解することは少ないですが、設置状況・機種・年式・汚れ具合などを考慮して取り外すこともあります。
▼ドレンパンが簡単に分解できるタイプ

簡単にドレンパンが分解できるタイプは、作業効率を考慮して「ドレンパン」を取り外しています。
お掃除機能付きエアコン
▼分解難易度が低いタイプ

標準パーツ・お掃除ロボットを取り外し。
▼分解難易度が高いタイプ

①分解前のエアコン。②標準パーツとダストボックスを取り外したところ。③お掃除ロボット・「基盤」を取り外し。④「ドレンパン」の分解後。
「ドレンパン」「基盤」分解の有無は、機種や設置状況により異なります。比較的簡素な構造なので「お掃除ロボット」自体を分解する必要もなく(細かい基盤などは取り外し)、他のパーツ同様にそのままの状態で洗浄可能です。(軽度な汚れの場合は、ホコリ払い・拭き取りにて対応)
富士通ゼネラル(FUJITSU)
スタンダードエアコン

機種・タイプ毎にドレンパンの構造に違いがあります。上記のエアコンは本体一体型タイプなのでドレンパンを分解することはありません。基盤を分解することは少ないですが、設置状況・機種・年式・汚れ具合などを考慮して取り外すこともあります。
お掃除機能付きエアコン
▼ドレンパン一体型タイプ

①分解前のエアコン。②標準パーツを取り外したところ。③ダストボックス・基盤前カバーを取り外し。④お掃除ロボット分解後。
※奥側の大きい上下風向ルーバーは取り外しません。
▼お掃除ロボットの分解

「お掃除ロボット」の内部にまで基盤が設置されているため、他のパーツと同様にそのままの状態で洗浄することはできません。汚れやホコリが目立つ時は、ご覧のように分解することあります。(軽度な汚れの場合は、ホコリ払い・拭き取りにて対応)
▼ドレンパンが簡単に分解できるタイプ

①前年パネルを開けたところ。②標準パーツとダストボックスを取り外したところ。③お掃除ロボット・「基盤」を取り外し。④「ドレンパン」の分解後。
▼サイドファンタイプ

①前面パネル・手前の上下風向ルーバーを取り外したところ。②サイドファン・ダストボックス・基盤前カバーを取り外し。③その他の標準パーツ・お掃除ロボット・「基盤」を分解後。④サイドファン自体の分解。
※奥側の大きい上下風向ルーバーは取り外しません。
三菱(MITSUBISHI)
スタンダードエアコン

誰でも簡単にドレンパンが取り外せる、素人業者にも優しいメーカーです。作業効率を考慮すれば、取り外さないという選択肢はありません。それとは違い「端子台」の構造には若干の難あり。そのため基盤を取り外す機会は少なく、「リモコン受光部基盤」を取り外してから「電装部」を徹底養生しています。
お掃除機能付きエアコン
▼基盤が中央部にあるタイプ

標準パーツ・ダストボックス・お掃除ロボット・「基盤」・「ドレンパン」を取り外し。
▼基盤が右側にあるタイプ

標準パーツ・ダストボックス・お掃除ロボット・「ドレンパン」を取り外し。
「ドレンパン」はスタンダードエアコンと同様に取り外し。「基盤」分解の有無は、設置状況・機種・年式・汚れ具合により異なります。少し注意は必要ですが「お掃除ロボット」自体を分解しなくても(細かい基盤などは取り外し)、他のパーツ同様に洗浄可能。(軽度な汚れの場合は、ホコリ払い・拭き取りにて対応)
三菱重工
スタンダードエアコン

「ドレンパン・基盤」ともに取り外し可能。基盤の構造に難があるため、徹底洗浄するには「ドレンパン・基盤」どちらかの分解は必須。熱交換器の繋ぎ目パーツが複数あり、取り外すと隙間も目立つので洗浄には注意が必要となる。スタンダードタイプでも分解パーツが多くなるので、正直あまり好みのメーカーではない。
※上記の画像は「ドレンパン」取り外し済み。
お掃除機能付きエアコン

①前面パネルを開けたところ。②前面パネル・フィルター・ダストボックス・ローラー・上下風向ルーバーを取り外したところ。③本体カバー(お掃除ロボット一体型)を取り外し。④「ドレンパン」の分解後。
お掃除ロボットと本体が一体型のタイプ。ダストボックス裏のローラーは、ご家庭でも簡単に取り外して洗浄可能です。また一体型ではありますが、通常の本体カバーと同様に洗浄することが可能。お掃除機能でも、やはり徹底洗浄するには「ドレンパン・基盤」どちらかの分解は必須となります。
※上記の画像は「ドレンパン」取り外し済み。
簡易分解の注意点
当店による「簡易分解」事例をご確認いただけましたでしょうか。どのエアコンであっても「熱交換器」を剥き出し状態にしておくのが、家庭用壁掛けエアコンクリーニングでの「簡易分解」基本ベースとなります。
そして、エアコンクリーニングの作業時間を一番左右するのがこの分解作業。またこの「簡易分解」こそが、この後の「洗浄範囲や洗浄内容」にも影響を与えてしまうのです。エアコンをキレイにするために「簡易分解」+「徹底養生」+「徹底洗浄」の3項目はどれ一つ欠かせませんが、第一段階の「簡易分解」こそが一番大切。そしてこの分解内容を踏まえて「徹底養生」することで、エアコンを故障させることなく「広範囲」にバシャバシャと丸洗い(徹底洗浄)できるようになるのです。
当店にてエアコンクリーニングをご検討の方は、お使いのエアコンメーカーに当て嵌めてご参照くださいませ。また他業者にてエアコンクリーニングする際も、作業する業者の分解範囲を確認する・チェックする目安となることでしょう。
業者毎に分解範囲は異なる
家庭用の壁掛けエアコンクリーニングの「分解洗浄」とは、一般的に「簡易分解」のことを言います。ただ一概に「簡易分解」といっても、業者毎に分解範囲・内容には違いが・・・。本体カバーすら分解せずに「高圧洗浄」を始める業者も入れば、オプションとして「ドレンパン」や「クロスフローファン」の分解に誘導する業者も・・・。エアコンクリーニングの分解範囲・内容は、予約前にしっかりと確認しておきましょう。後悔しないためにも・・・。
※上記営業エリア外でも、サービス内容や出張料金などによってはお伺い可能な場合もあります。気軽にご相談くださいませ。
► 出張費の算出方法