
江戸川区東葛西で
エアコンを徹底洗浄!
今回のエアコンは、三菱ルームエアコン1台と
三菱重工ルームエアコン24台です。
おまとめ割
(訪問日:2022年6月30日)
本日は、江戸川区東葛西でエアコンクリーニングしてきました。いわゆる「ラブホ」と言われているカップルホテルに設置されているエアコンで、客室23部屋と受付・待機室の各1室で計25台。毎年エアコンクリーニングしていると聞いていましたが、まさかこんな目に会ってしまうとは・・・。本当に酷いエアコンクリーニング業者の多いこと多いこと。3日間の予定でスケジュールを空けていましたが、深夜作業含んで結果4日間。計56時間以上の仕事です。8時間労働で考えたら休憩なしでも実質7日間。これじゃ割にあいませんよね。正直苦痛でしかありませんでした。今回はこんな感じで愚痴だらけの日記となっております。
エアコンクリーニング(徹底洗浄)|三菱重工ルームエアコン|SRK28TN-W|2012製 他
何故? こんなことになってしまったのか・・・。それは当店が「徹底洗浄店」だからこそ。今までの業者のように「簡易清掃」なら2日(営業時間内)で作業を終えることもできたのでしょう。おまとめ割(徹底洗浄)の料金は1台8,000円、簡易清掃の料金は1台6,000円、正直2,000円の差額でできる内容ではありませんでした。心が折れそうになりながらも、なんとか頑張った4日間の作業報告です。
まず初日は6月27日(月)9時から。5階の5部屋と4階の5部屋は準備中状態にしてくれています。「いや〜、10台は厳しいかな」と思ってはいましたが、20時位(営業終了時間)まで頑張れば何とかなるかも・・・なんて簡単にも考えていました。5階の真ん中の一室をパーツの洗い場・高圧洗浄機設置の拠点として、そこから吐水ホース(20m)を伸ばして各部屋のエアコンを洗浄していきます。最初に確認した、拠点のベッドの上に設置されていたのは「三菱スタンダードエアコン」でした。このエアコンは分解・洗浄が簡単なタイプ。うん、これなら10台はいけるかも・・・、と他の部屋もチェックしてみましたが、残念なことに他のエアコンは全て三菱重工の「ビーバーエアコン」です。ここで少し不安がよぎってきました。
拠点のエアコンは最後に洗浄することにして他の部屋に移動。お部屋を養生してからエアコンを簡易分解していきます。ただ・・・、前面パネルとフィルターを外した段階で「おいおいなんだこれ!」状態。毎年エアコンクリーニングしているはずなのに、フィルターは汚れていないのに、熱交換器のアルミフィンには「フィンの隙間が見えないくらい」ホコリが「ぎっしり」、「こんもり 」と付着しています。しかも強烈な「ヤニ臭」まであり。スタート時の楽観的なイメージはこの時点で完全に消滅。これは深刻な問題ですね。しかも「ビーバーエアコン」です。
この「ビーバーエアコン」は、電源端子台がドレンパンの右斜め下、基盤の下にある構造。当店のスタイルで大量の洗浄水を高圧噴射すると、エアコン上部の汚れたちは「ドレンパン」から大量に溢れ出てしまいます。すると近くにある端子台は簡単に浸水。そのまま作業後に電源を入れてしまうと、ショートして故障する可能性が高いんですよね。ただこれを完全に防ぐ術は二通りしかありません。一つは今までの業者のように「吹き出し口」のみを洗浄すること。いわゆる簡易清掃ですね。ただそれだと「熱交換器」は汚れたまま。当然「ヤニ臭」がなくなることはありません。汚れ切った熱交換器を徹底洗浄するためには、ドレンパンの取り外しが必須なのです。そして汚れ具合・機種(基盤の形状)によっては「基盤」や「ファンモーター」も取り外す必然性も・・・。
今回のエアコン洗浄は、1台当たりの平均洗剤使用量が3ℓ、洗浄水(お湯)の平均使用量は50ℓ以上です。このように分解にも洗浄にもダブルで時間がかかってしまいました。設置されている全てのエアコンのドレンパンを取り外し、20台は基盤も取り外すことに・・・、その結果「平均作業時間は約2時間30分」。おいおい「お掃除機能付きエアコンかよ!」状態です。何故こんなことに、何故こんな目に・・・、それは全て「エアコンクリーニング業者」の適当な洗浄方法が原因。吹き出し口しか洗浄しない・できない業者が、毎年のように「クロスフローファン」の汚れを吹き飛ばし、その洗剤やゴミたちが熱交換器の裏やドレンパンなどに固着。一度も掃除されたことのない「熱交換器」に固まったゴミたちを粗方取り除くために、丁寧な分解とたっぷりの洗剤・大量の洗浄水が必要となったのです。
そしてこの下手くそな「業者たち」、エアコンの扱いも乱暴なのでしょう。8割方の上下風向ルーバーの軸は破損されており、開きっぱなしで動いていません。左右風向ルーバーの欠損も多々あり。こんなお粗末なエアコンクリーニングでも仕事が続けられているなんて、本当に恐ろしい業界だと改めて感じてしまいます。誰でも簡単に始められる仕事ですからね。そのような類が群がる業種なのでしょう。
そんな輩の後始末で、一日目は24時前(約15時間・7台)まで、二日目からは少し早めの8時から作業を開始して25時過ぎ(約17時間・8台)まで、三日目は28時前(約20時間・8台)まで作業を続けましたが2台を残して断念。以降の画像たちは、スケジュール調整して「7月4日(月)18時」に再訪問した時のものとなります。心にも体にも全く余裕がなかったので、6月の3日間は撮影することもできませんでした。本当に今までの業者には恨みしかありません。そんな業者に言わせると、お前の手際が悪いだけだと嘯くのでしょうが・・・。エアコンクリーニングの依頼人(お客様)が、正しいエアコンクリーニングの知識を持ち、このような悪徳業者がいなくなる(排除される)ことを心から祈念しています。
▼エアコンの簡易分解

こちらのエアコンは「受付」に設置されていたエアコン。客室のエアコンよりは汚れていませんが「ヤニ臭」はこちらも強烈。こちらのホテルは喫煙率高めですね。非喫煙者の私としてはキツイ現場。髪や洋服・身体にもヤニ臭が付着してしまいます。後の現場が残っていたら、訪問先のお客様にもご迷惑をお掛けしてしまうのかもしれませんが・・・、その際はご容赦くださいませ。
①洗浄前の動作確認。強烈なヤニ臭がしてきます。ただ室内にもヤニ臭あり。私の近くで喫煙しながら観察している従業員も・・・、お陰で私はずっと受動喫煙中「副流煙」とともにいます。②前面パネル・フィルターの取り外し。この段階でも隙間から汚れが確認できますね。③本体カバーの取り外し。一般的な簡易分解はこの程度でしょう。「ビーバーエアコン」なので、上下風向ルーバーを取り外せない業者もいますからね。だだこの段階で「徹底洗浄」してしまうと、高確率でエアコンは故障してしまいます。④「熱交換器の繋ぎ目のパーツ」「ドレンパン」の取り外し。この後に「基盤」も電源コードごと取り外しています。
▼分解したパーツ類

こちらが取り外した「洗えるパーツ」たち。拠点の女性スタッフにパスして洗浄してもらいます。それでは本体の洗浄方法をご説明しましょう。
▼洗浄水(お湯)のみで洗浄

今回の洗浄方法は異例といってもいいでしょう。後の処理(高圧洗浄・すすぎ)が面倒になってしまうので、本来ならこんなパターンで洗浄を始めることはありません。ただ今回は違います。作業前から後の処理(高圧洗浄・すすぎ)が大変だとわかっていますからね。前の業者が色々とやらかしていますので・・・。そこで2台目からはこのような洗浄方法を選択することにしました。
⑤洗浄前。客室エアコンほどではありませんが、熱交換器にはホコリが付着しています。⑥高圧洗浄機で洗浄水(お湯)のみで洗い流し。見た目はキレイになりましたね。⑦吹き出し口もこんな感じ。やはり客室よりは汚れていませんが「クロスフローファン」にはホコリが付着しています。⑧高圧洗浄したらご覧の通り。スケルトンファンなので汚れ残りが見えてますが、黒いファンなら洗浄済みと勘違いされる方の方が多いでしょうね。
このように洗剤を使用しなくても、高圧洗浄機の水圧のみで見た目はキレイにできてしまいます。これがエアコンクリーニングマジックですね。この原理は「エコ洗剤」を使用した「エコ洗浄」とも同じ。洗剤の力で汚れを落としたのではなく「高圧洗浄機」の高圧噴射によってゴミを吹き飛ばしただけなのです。ただ今の段階では臭いの原因(ヤニ臭)は残ったまま。そして、エアコン内部(裏側)には「吹き出し口」のゴミたちが吹き飛ばされたまま・・・。ここで作業を終えてしまうと「エアコンクリーニング」したことで、逆にエアコン内部を汚してしまうことにもなります。
▼洗剤投入前の汚水

洗剤を使用してもいないのに、「高圧洗浄だけで」こんなに真っ黒な汚水が大量にバケツに残りました。これだけで満足する業者やお客様も多いのではないでしょうか。ただこれでは「徹底洗浄」とは言えません。表面の固形物たちや裏側に貼り付いていたゴミたちを粗方落としただけのこと。ここまでの洗浄ができない業者も多いのでしょうが、ここからが当店の本領発揮となります。
▼洗剤の投入

背面パネル・ファン裏には「カビ取り洗剤」噴霧(左画像)。メイン洗剤は「ゴールドZ(強化版)」を選択(右画像)。ヤニ臭の除去にはこれ以上の洗剤はありません。時間をかけて丁寧に、隅々までに行き渡るようにエアコン内部にたっぷりと噴霧していきます。
▼カビ取り洗剤で浸け置き

クロスフローファンには追加で「カビ取り洗剤」を噴霧。ご覧のように「繭玉のような状態」で浸け置き洗浄しておきました。
▼洗剤投入後の汚水(1回目)

左の画像は洗剤噴霧後の汚水。洗浄力の強い洗剤たちが「洗剤の持つ洗浄力」のみで、ぐいぐい汚れを落としていきます。右画像は「高圧洗浄機」での濯ぎ後。まだまだ真っ黒な汚水が出てきますね。やはり汚れは根深いのでしょう。まだまだ洗浄は続きます・・・。
▼洗浄後(1回目)|熱交換器・クロスフローファン

この段階での見た目はこんな感じ。熱交換器のアルミフィンも、クロスフローファンの羽や繋ぎ目・軸までもキレイな状態になりました。ただまだ熱交換器の裏側には根深い汚れたちが残っています。
▼洗剤投入後の汚水(2回目)

正直な話100%汚れを落とし切ったわけではありません。自分なりの納得のいく妥協点を探りながら、「まだ落ちてくるのかよ」「そろそろ終わりにしようよ」「えっ、まだ終わらないのかよ」、こんな葛藤を心の中で繰り返し(時には声に出し)、少し半ギレ状態になりながらも30ℓ位の洗浄水を追加で高圧噴射。トータルで50〜60ℓ位の洗浄水を使用しています。その間は、女性スタッフがせっせとタンクにお湯の補充。これを一人でやったら大変ですよね。タンクの補充だけでも数十分を費やしてしまうことでしょう。
▼洗浄後(2回目)|熱交換器・クロスフローファン

はい。見た目は1回目の洗浄と変わりありません。誰も気づかない・気づくことのない汚れを、自己満足で洗浄しただけです。終わらない洗浄にイライラしながらも・・・。
▼組み立て・動作確認・乾燥作業

洗浄が終わったら、エアコンを組み立てて乾燥作業。見た目だけでなく臭いも改善されていますよ。ただその側らで喫煙している従業員がいらっしゃいますが・・・。少し虚しさが残ります。
▼作業終了

どこに設置されているエアコンだって、どんなに古いエアコンだって、どんなに汚れたエアコンだって、「徹底洗浄」を依頼された限りは責任を持って洗浄しています。その証として「エアコンクリーニング高圧洗浄済み」シールをエアコン側面に貼付。この後に「待機室」のエアコン洗浄をして作業を終えたのは23時過ぎとなりました。いや・・・、本当に大変な仕事でしたね。辛い虚しい時間が過ぎてしまいました。申し訳ありませんが「おまとめ割」は、今後考え直す必要があるのかもしれません。
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