
江東区塩浜で
エアコンを徹底洗浄!
今回のエアコンは、ダイキンルームエアコン1台です。
スイングモーター
(訪問日:2022年5月28日)
本日は、江東区塩浜でエアコンクリーニングしてきました。定期的に業者でエアコン洗浄しているお客様で、昨年も他の業者でエアコンクリーニングしているそうです。そして本日のテーマは「スイングモーター」。どうしても「モヤモヤ」が晴れないため、今回のようなケースを探していたのです。
実は5月11日に洗浄したリピーター様宅(2019年の訪問日記)の「日立お掃除機能付きエアコン」が故障してしまいました。作業終了後の動作確認は問題なし。乾燥運転(暖房・強風)をセットして帰路につきましたが、翌日「運転停止さてからリモコン操作を色々していると、エアコンが動かなくなった」との連絡が入りました。時間調整して翌13日にお客様宅に再訪問、エアコンをチェックしてみると、エラーランプが点滅してリモコン操作はできません。強制運転も不可。ただ電源は喪失していない状態です。どこかのコネクタでも差し忘れたのかな? とも思いましたが、作業後の動作確認では問題ありませんでした。しっかりハマっていなかったコネクタが何かの拍子で抜けることがあるのだろうか・・・? とりあえずエアコンを再分解。何度もコネクタを「抜き差し」してチャレンジしましたが、エラーランプはついたままです。このままでは埒が明かないのでメーカーに修理依頼。さてさて故障原因はどこにあるのでしょうか。
「メーカーに修理依頼」するときは、必ず故障原因を確認するようにしています。何度も同じ故障を繰り返すのは「○×」のすることですからね。同じこと(ミス)が起きないように、エアコンクリーニング時に起こりうる故障原因を一つでも多く潰していきます。こちらの不手際によるご迷惑で申し訳ありませんが、この積み重ねこそが当店のスキルアップ(エアコンを徹底洗浄しても故障させないための)にもなっているんですよね。ただ今回は・・・でしたが。修理依頼時には、電話受付のオペレーターに「こちらの作業内容も細かく報告」。「全ての基盤は電源コードごと取り外し済み。ファンモーターへの浸水経路も塞いであります。作業後の動作確認には全く問題なし。この状態でもどのような故障原因があるのか教えて欲しい。」と、ご伝言。そして作業日に「メーカーのサービスマン」より電話が入りました。
エアコンクリーニング業者に色々な人がいるように「メーカーのサービスマン」にも色々な人がいます。人間なので当たり前ではあるのですが・・・。親身になって色々と丁寧に説明、考えられる水の侵入経路や故障箇所の特定など、こちら側にそって様々な情報を提供してくれる、その情報を持っている方もいれば、「エアコンクリーニングしたから、業者が水をかけたから」としか答えがない人もいます。今回は残念ながら後者のサービスマン。どんな質問を重ねても答えを一つしか持っていませんでした。
彼曰く、故障原因は「スイングモーター」。このスイングモーターに水が侵入したことで、エアコンが故障したとのこと。「おそらく動作確認中には既に水は入っており、このスイングモーターが原因で、基盤・ファンモーター・お掃除ユニットのモーターなど、全てのモーターが故障した」そうです。えっ「スイングモーター」が原因で? 基盤だけならまだしも他のモーター類全てが破損? 色々と質問してみましたが答えは変わりません。「これは常識です。スイングモーターが原因でエアコン本体が故障することはよくある事例。これは最悪なパターンです。情報を共有化してください。」とのこと。正直取り付く島もない感じ。
当店のエアコンクリーニングは、エアコン内部を大量の洗浄水でバシャバシャと丸洗いするスタイル。ドレンパンに設置されていることの多い「スイングモーター」は常に洗浄水によって濡れています。それが要因だけではありませんが、「スイングモーター」の故障経験は10回以上も・・・。つい先日も、不具合のあった「スイングモーター」をお客様宅で交換しています。でもエアコン本体が故障したわけではありません。この安価(数百円)な、汎用品であるこの部品が故障したのみ。彼の言うことが真実だとすれば、当店の洗浄したあとのエアコンは、全て故障するリスクがあります。ただ今回のようなケースは初めて。今までに1万台位のエアコンを洗浄しているのですが・・・。
どうしても腑に落ちないので、「メーカーのサービスマン」にもう一度電話をして質問。「4箇所スイングモーターがあったと思いますが、どのスイングモーターが原因ですか?」と問うと「それは特定できませんね。」と一笑。それでも原因は「スイングモーター」の一点張りです。こちらの作業内容や今までの故障ケース(スイングモーター単体)などを説明しても「スイングモーターが原因でエアコン本体が故障することはよくある事例です。情報を共有化してください。」もうウンザリ。どうやら一つの答えしか持っていない人のようです。もうどんな質問も意味がないのでしょう。自分で確認していくしかありませんね。
エアコンクリーニング(徹底洗浄)|ダイキンルームエアコン|AN28MHS-W|2011年製
そして本日のエアコンに少し答えがありました。こちらのダイキンお掃除機能付きエアコンは、スイングモータ部が一式取り外せます。ドレンパンの下に貼り付いているこのパーツは、つけたまま洗浄していると水浸しになるんですよね。当店では必ず分解するようにしています。
▼スイングモーター部の取り外し

右画像がそのパーツ。エアコン上部を洗浄すると「ドレンパン」から溢れた洗浄水がこのパーツ内で溜まってしまうこともあります。それが原因で故障することだってあるでしょう。スイングモーターは・・・。
▼洗浄による汚れ跡

上記の画像は拡大したもの。洗浄による汚れが付着し、モーター付近もカビだらけです。モーターの金属部には若干の腐食も見られました。エアコンの水漏れやエアコンクリーニング以外の原因で、この箇所がこのような汚れ方をすることはありません。ドレンパンの下で受け皿のような形状のため、溢れた洗浄水や汚水・洗剤などは溜まりやすいんですよね。ただこのエアコンのスイングモーターは故障していませんでした。ラッキーでしたね。
▼汚れ残しチェック

①ドレンパン。②背面パネル。③スイングモーター部パーツとの接触部。④吹き出し口。ご覧の通り、見える箇所(吹き出し口)はそれほど汚れてはいませんでした。昨年洗浄しているはずなのですが見えない箇所はご覧の通り。簡易清掃業者の仕事だったのでしょうね。
▼洗剤噴霧|カビ取り洗剤・厨房用アルカリ洗剤

エアコンをしっかりと分解したら、洗浄方法は大体一緒。背面パネル・ファン裏・ドレンパン裏にはカビ取り洗剤を噴霧(左画像)。たっぷりのメイン洗剤を噴霧したら「クロスフローファン」には「厨房用アルカリ洗剤」を追加噴霧(右画像)しておきました。
▼汚水|洗剤噴霧後・洗浄後

室内のバケツに残る汚水は「見える箇所」の汚れがメイン。左が洗剤噴霧後の汚水です。吹き出し口の「ファン裏」や「ドレンパン裏」の汚れが落ちてきたので、こんな感じ。ただ洗浄後の汚水(右画像)はこの程度。もっと汚れた大量の汚水が室外には排水されています。
▼洗浄後の汚れ残し箇所

①ドレンパンも、②背面パネルも、③スイングモーター部パーツとの接触部も、こんなにキレイになりました。④吹き出し口はこんな感じで大差ないかもしれませんが、「次亜塩素酸ナトリウム」でしっかりと殺菌処理済み。昨年の洗浄とは桁違いだと思います。
▼洗浄後|エアコン全景・スイングモーター部

エアコン上部の熱交換器もキレイになりましたね。スイングモーター部パーツもご覧の通り。スイングモーターをつけたままの状態で、女性スタッフがお風呂場で洗浄しています。洗剤つけて水洗い。さてさてエアコンは故障してしまうんのでしょうか・・・。
▼洗浄後の乾燥作業

しっかりとエアコンが洗浄できたら、組み立てて乾燥作業。ご覧のように「ドレンパン」前にはたくさんのパーツ・基盤がありますが、洗浄中は全て取り外しています。その分解したパーツたちをしっかりと組み立てたら動作確認。通常通りエアコンは動きだしました。全く問題はありません。さてさてこのエアコン。明日になったら故障してしまうのでしょうか? 絶対にそんなことはないと思うのですが・・・。
そもそもこの安価な汎用品の「スイングモーター」。これの故障が原因でエアコン本体・全てのモーター部が損傷してしまう・・・、こんな現象が起きてもいいのでしょうか? 大型のファンモーターなどと違い、消費電力も少なく基盤への負荷もかかりにくいはず。安価なラジコンなどでも使用されているような代物ですからね。結露を防げないエアコンにとって、水が原因でエアコンが故障することは防げません。ただこんなにも脆い・安価なパーツが原因で、他のパーツ(全てのモーター類)にも影響を与えて故障させてしまう。こんなことが起きてしまっていいのでしょうか。もうこれはリコールレベルの問題な気がしますが・・・。
▼出張修理・完了のご報告

そして上記の画像がその故障の詳細です。元々の故障箇所は「RAS-S28C 270」に取り付けてあるスイングモーターのどれかというのが「サービスマン」の見解。それが原因でこんなにも連鎖して故障してしまいました。ただ私の見解はそうではありません。電源は喪失していませんでしたので、おそらく信号エラーなんだと思います。何が原因かは特定できませんが、この信号エラーが原因で全てのモーター類を故障させてしまったのでしょう。だってスイングモーターの浸水が原因なら、毎日・毎回故障のリスクはあります。しかもこれは当店の徹底洗浄では回避不可能。
毎回「スイングモーター」を取り外せば回避できることかも知れませんが、原因が特定できていない限り(申し訳ありません、サービスマンの見解は信用していません)、毎回その手間をかけるのは面倒ですよね。そしてこの日記を記載している今日は6月11日。あれから1カ月位経過しており、その間にもエアコンクリーニングは行っています。当然「スイングモーター」はつけたまま。同機種のエアコンも数回洗浄済み。100台位のエアコンを洗浄していますが、未だこのような故障は起きていません。これは次回(同じ故障原因が起きる)までの宿題ですかね。その際はご迷惑をお掛けしてしまいますが、ご容赦くださいませ。
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